2023年08月26日
大森製作所 ダイヤモンド マイコンNo.1を買って使ってみた話
~これまでのあらすじ~
釣りの帰りに釣具店の中古コーナーを見に行ったら、すっごく綺麗なマイコンNo.1を激安で見つけてしまったのでお持ち帰りしちゃった。

最初に書いておくと、別にオールドリールが格別に好きだとかって気持ちは持ち合わせちゃあいないんですが、釣具好き、リール好きとして、目の前に興味深いモノが転がっていたら手に取ってしまうじゃないですか。
今までも折に触れ、大森こそホンモノとか、そのような評価を目にしてきたので。
ま、巡りあってしまったなら使ってみようかな、ってことで。
クッソ安かったし。
現場でも不具合は無いか一通りチェックはしたけど、持ち帰って改めて分解チェック。

どうも、当時淡水で数回だけ使ってあとは倉庫にでも放り込んであったと思われるような状態。
外観もごく一部に塗装ハゲがある程度で綺麗そのもの。
回転が重いかなと思ってたのはグリスが古くなっていただけ。
粘土みたいになってたグリスを落としてみると、各パーツは綺麗なまま。
ピニオン受けの部分に詰まって固まってたグリスというか最早スラッジだけは非常にやっかいでしたが、何とか落として新しいグリスとオイルをインストール。
2個しかないベアリングにも特に不調はなく、洗浄してそのまま使用。

リールの構造自体は非常に簡単。サクッとばらせるしサクッと組めます。
ローターを取らなくても内部にアクセスできるのが楽でいい。
オイル部分はひとまずレビテーションのNULL EXライトを、ギアには城峰のPグリス01を、その他箇所のグリスはシマノのSHIP-0(DG06)を入れました。
ドラグは材質不明のワッシャー4層構造。

リールを組んでみて、ラインはPE0.4号をインストール。
この手のリールは糸ヨレに弱いので、モノフィララインだとトラブルが多くなりがち。
でもPEラインは極端なヨレが掛かってない限りはそう言ったトラブルとは無縁、というのが持論。
なので、ダイワシマノ以外のリールを使う時はだいたいPE入れてます。
するとだいたいトラブルレスで使えてます。
ただしこのスプール形状は・・・気持ち少なめどころかガッツリ少なめに巻いた方が良いとスピンフィッシャーSSで学んでいるので、これぐらいに抑えた。

15釣行ほど使ってみて全くライントラブルを起こさなかったので(ホントに0回)、もうちょい下巻き入れてもよかったかな、とラインを巻き替えるタイミングで攻めてみた所・・・

ラインテンションの掛かるルアーなら問題なかったんだけど、レッドペッパーナノのパニックアクションというラインテンションが全く掛からない釣りをしたところ、ラインがふかふかに巻かれたことでキャスティング時のエアノットが多発。
こりゃアカン、と再び下巻きを調整。

ついでにデコボコだった巻き形状も、時々糸を手で巻いて調整することでちょっとはマシに。
スピンフィッシャーSSで培ったテクニックは役に立ったよ、あの日の俺・・・
この程度のライン部の径でハンドル1回転62cmぐらいの巻き取り。
おおむね現代の1000~2000番ノーマルギアぐらいですかね。
実用充分や。
ラインを巻き終えてから、スプール上部のノブ(ドラグノブではない)を外して糸巻き形状調整ワッシャーを1枚抜き、ちょっと前寄りになるように調整。
(・・・したけど、これはしてもしなくてもよかったかも)
オーバーホール後にニゴイとケタバスとバスを釣って使い心地を確かめましたが・・・
正直ナメてました。
トラブル一切なしなのはもう当たり前として、投げて巻く、掛けて釣るという動作にストレスが無い。

特に巻き心地の軽さ、滑らかさ、ノイズの無さにビックリ。
はっきり言って、自分基準でエリアトーナメントですら「使える」レベルの巻きです。
よもや40年も前にこれほどの完成度のリールが存在していたとは・・・
なるほど、噂に違わぬ良いリールでした。とても気に入ってしまった。

ちょっと手を加えた方がいいなと思ったのは、ラインローラーとドラグ。
当初、ラインローラーは指で強く押して回すとちょっとだけ回る程度。
回るというか、ズレるというか。
試しにマジックで目印を付けて釣りをしたところ、一応は釣りの最中に少しづつでも回っていることが判明。
ラインローラーに糸溝が出来ないよう、魚掛けたときとか高負荷時にちょっとずつでも回転してくれていれば、まあいいかな、と思っていたんですが・・・
ただねー、ニゴイでギュンギュンドラグを出されるファイトを連発した後でラインローラーを触ったら、ほんのりと暖まっていたんですわ。
糸が溶けて切れる程の温度まではいかないだろうけど、ちょっと怖かったので・・・

液体コンパウンドでラインローラーの内側をちょっと磨いた。
これで抵抗を減らしてみると、指で軽くなぞるだけでクルッと回転する程度に改善。
スリーブにはレビテーションのNULL EXライトを使用。
これでラインローラーは解決。
で、ドラグ。
当初は、滑り始めに固着して引っかかり、ドラグが作動し始めるとスムースに出るという状態。
この初期の食いこみが厄介で、30分ほどドラグの作動が無いと固着。
なので、魚を釣っていないときは定期的に糸を引き出して固着しないようにするってのと、緩めにドラグを設定しておかないといけない。
でも結局、固着が原因で糸が出ずに1度魚に切られてしまった。
洗浄してドラググリスを塗りなおすと、滑りはスルスルになったけど別の問題が発生。
今度のは、言葉でうまく説明しにくいんですが・・・
ドラグが作動すればするほど一定の所までドラグ力が上がっていく、という現象。
手で糸を持って、ジッ、ジッ、ジッと断続的に糸を引き出していくと、どんどん糸の出がキツくなり、ドラグノブで最初に設定したとこからドラグ力が上がっていっている状態。
これに関してはどうもドラググリスが原因。
最初にOHした時、ドラグワッシャーがカピカピだったんですよね。
干からびてるだけかと思ってドラググリスを塗ったんですが、どうも乾式というのが正解だったようで、改めてドラグワッシャーを洗浄して乾式にしてみるとこの問題は起きなかった。
というわけで、(間違ってたらゴメンナサイだけど)純正ワッシャーは乾式だったようです。
でも結局、滑り始めの固着が改善できなかったので、ドラグワッシャーの材質そのものを変えてみることに。
まずは、テフロンのシートがあったのでそれを切り取ってインストール。
サイズ(厚み)の都合上、4枚のうち2枚を交換。

ハサミで切り取ってポンチで穴を開けたので見た目は非常に酷いもんだが、こんなん面の圧力が発生すればいいし、まあ自分のリールだしってことで。
すると、ドラグの滑り問題は完全に解決。
初期の固着は無くなったし、滑りもスルスル。
だが、これでは終わらない・・・
先に書いた厚みの都合上ってのは、純正ワッシャーの厚みは1mmに対し、テフロンのシートはもっと薄い。
恐らく0.5mm以下。
この薄いテフロンドラグワッシャーに置き換えるとどうなるかと言うと・・・
ドラグユニットの厚みが薄くなってしまうため、ドラグノブを目いっぱい締めても締め付けが足りず、ある程度のドラグ力以上は掛からなくなってしまったという。
恐らくMAXで1kgに遥かに足りていないはず。
4枚中2枚交換しただけでコレなので、4枚とも薄いテフロンにすると完全に締め付け不足でドラグが掛けられず、エリアトラウトかアジングぐらいしか出来なくなるでしょう。
それは困る。
次の手は、市販の硬質フェルトシートを買ってきて入れてみること。
メのフォロワーさんに教えてもらったシートがamazonで売っていたのでポチー。
前回のテフロン切り抜きでコンパスカッターの必要性を感じたので、それも100均で買ってきた。

で、切り抜いてみると、外径は良かったんですが・・・
コンパスカッターが最低1mmからしか切れなかったオチで内径をくりぬくことが出来ず。
結局内径の穴はデザインナイフとハサミで整えることに。
このフェルトワッシャー自作は大正解でした。
初期の固着は解消され、作動は現代リールと全く遜色ないスムーズさ。
ドラグユニットの厚みが純正より若干薄くはなるので最大ドラグ力は落ちましたが、PE0.4号で戦う相手に必要十分ぐらいは確保。

(上から純正、テフロン、フェルト)
ちなみにこれにはきちんとドラググリスを使用。
城峰のユルネバをインストール。
これで何の憂いも無く実釣で使えるようになりました。

多少手の掛かるリールでしたが、まあ弄るのが好きでやってる面もありますし?
というわけで、マイコンという頼もしい相棒を手に入れた!
俺たちの戦いはこれからだ!
釣りの帰りに釣具店の中古コーナーを見に行ったら、すっごく綺麗なマイコンNo.1を激安で見つけてしまったのでお持ち帰りしちゃった。

最初に書いておくと、別にオールドリールが格別に好きだとかって気持ちは持ち合わせちゃあいないんですが、釣具好き、リール好きとして、目の前に興味深いモノが転がっていたら手に取ってしまうじゃないですか。
今までも折に触れ、大森こそホンモノとか、そのような評価を目にしてきたので。
ま、巡りあってしまったなら使ってみようかな、ってことで。
クッソ安かったし。
現場でも不具合は無いか一通りチェックはしたけど、持ち帰って改めて分解チェック。

どうも、当時淡水で数回だけ使ってあとは倉庫にでも放り込んであったと思われるような状態。
外観もごく一部に塗装ハゲがある程度で綺麗そのもの。
回転が重いかなと思ってたのはグリスが古くなっていただけ。
粘土みたいになってたグリスを落としてみると、各パーツは綺麗なまま。
ピニオン受けの部分に詰まって固まってたグリスというか最早スラッジだけは非常にやっかいでしたが、何とか落として新しいグリスとオイルをインストール。
2個しかないベアリングにも特に不調はなく、洗浄してそのまま使用。

リールの構造自体は非常に簡単。サクッとばらせるしサクッと組めます。
ローターを取らなくても内部にアクセスできるのが楽でいい。
オイル部分はひとまずレビテーションのNULL EXライトを、ギアには城峰のPグリス01を、その他箇所のグリスはシマノのSHIP-0(DG06)を入れました。
ドラグは材質不明のワッシャー4層構造。

リールを組んでみて、ラインはPE0.4号をインストール。
この手のリールは糸ヨレに弱いので、モノフィララインだとトラブルが多くなりがち。
でもPEラインは極端なヨレが掛かってない限りはそう言ったトラブルとは無縁、というのが持論。
なので、ダイワシマノ以外のリールを使う時はだいたいPE入れてます。
するとだいたいトラブルレスで使えてます。
ただしこのスプール形状は・・・気持ち少なめどころかガッツリ少なめに巻いた方が良いとスピンフィッシャーSSで学んでいるので、これぐらいに抑えた。

15釣行ほど使ってみて全くライントラブルを起こさなかったので(ホントに0回)、もうちょい下巻き入れてもよかったかな、とラインを巻き替えるタイミングで攻めてみた所・・・

ラインテンションの掛かるルアーなら問題なかったんだけど、レッドペッパーナノのパニックアクションというラインテンションが全く掛からない釣りをしたところ、ラインがふかふかに巻かれたことでキャスティング時のエアノットが多発。
こりゃアカン、と再び下巻きを調整。

ついでにデコボコだった巻き形状も、時々糸を手で巻いて調整することでちょっとはマシに。
スピンフィッシャーSSで培ったテクニックは役に立ったよ、あの日の俺・・・
この程度のライン部の径でハンドル1回転62cmぐらいの巻き取り。
おおむね現代の1000~2000番ノーマルギアぐらいですかね。
実用充分や。
ラインを巻き終えてから、スプール上部のノブ(ドラグノブではない)を外して糸巻き形状調整ワッシャーを1枚抜き、ちょっと前寄りになるように調整。
(・・・したけど、これはしてもしなくてもよかったかも)
オーバーホール後にニゴイとケタバスとバスを釣って使い心地を確かめましたが・・・
正直ナメてました。
トラブル一切なしなのはもう当たり前として、投げて巻く、掛けて釣るという動作にストレスが無い。

特に巻き心地の軽さ、滑らかさ、ノイズの無さにビックリ。
はっきり言って、自分基準でエリアトーナメントですら「使える」レベルの巻きです。
よもや40年も前にこれほどの完成度のリールが存在していたとは・・・
なるほど、噂に違わぬ良いリールでした。とても気に入ってしまった。

ちょっと手を加えた方がいいなと思ったのは、ラインローラーとドラグ。
当初、ラインローラーは指で強く押して回すとちょっとだけ回る程度。
回るというか、ズレるというか。
試しにマジックで目印を付けて釣りをしたところ、一応は釣りの最中に少しづつでも回っていることが判明。
ラインローラーに糸溝が出来ないよう、魚掛けたときとか高負荷時にちょっとずつでも回転してくれていれば、まあいいかな、と思っていたんですが・・・
ただねー、ニゴイでギュンギュンドラグを出されるファイトを連発した後でラインローラーを触ったら、ほんのりと暖まっていたんですわ。
糸が溶けて切れる程の温度まではいかないだろうけど、ちょっと怖かったので・・・

液体コンパウンドでラインローラーの内側をちょっと磨いた。
これで抵抗を減らしてみると、指で軽くなぞるだけでクルッと回転する程度に改善。
スリーブにはレビテーションのNULL EXライトを使用。
これでラインローラーは解決。
で、ドラグ。
当初は、滑り始めに固着して引っかかり、ドラグが作動し始めるとスムースに出るという状態。
この初期の食いこみが厄介で、30分ほどドラグの作動が無いと固着。
なので、魚を釣っていないときは定期的に糸を引き出して固着しないようにするってのと、緩めにドラグを設定しておかないといけない。
でも結局、固着が原因で糸が出ずに1度魚に切られてしまった。
洗浄してドラググリスを塗りなおすと、滑りはスルスルになったけど別の問題が発生。
今度のは、言葉でうまく説明しにくいんですが・・・
ドラグが作動すればするほど一定の所までドラグ力が上がっていく、という現象。
手で糸を持って、ジッ、ジッ、ジッと断続的に糸を引き出していくと、どんどん糸の出がキツくなり、ドラグノブで最初に設定したとこからドラグ力が上がっていっている状態。
これに関してはどうもドラググリスが原因。
最初にOHした時、ドラグワッシャーがカピカピだったんですよね。
干からびてるだけかと思ってドラググリスを塗ったんですが、どうも乾式というのが正解だったようで、改めてドラグワッシャーを洗浄して乾式にしてみるとこの問題は起きなかった。
というわけで、(間違ってたらゴメンナサイだけど)純正ワッシャーは乾式だったようです。
でも結局、滑り始めの固着が改善できなかったので、ドラグワッシャーの材質そのものを変えてみることに。
まずは、テフロンのシートがあったのでそれを切り取ってインストール。
サイズ(厚み)の都合上、4枚のうち2枚を交換。

ハサミで切り取ってポンチで穴を開けたので見た目は非常に酷いもんだが、こんなん面の圧力が発生すればいいし、まあ自分のリールだしってことで。
すると、ドラグの滑り問題は完全に解決。
初期の固着は無くなったし、滑りもスルスル。
だが、これでは終わらない・・・
先に書いた厚みの都合上ってのは、純正ワッシャーの厚みは1mmに対し、テフロンのシートはもっと薄い。
恐らく0.5mm以下。
この薄いテフロンドラグワッシャーに置き換えるとどうなるかと言うと・・・
ドラグユニットの厚みが薄くなってしまうため、ドラグノブを目いっぱい締めても締め付けが足りず、ある程度のドラグ力以上は掛からなくなってしまったという。
恐らくMAXで1kgに遥かに足りていないはず。
4枚中2枚交換しただけでコレなので、4枚とも薄いテフロンにすると完全に締め付け不足でドラグが掛けられず、エリアトラウトかアジングぐらいしか出来なくなるでしょう。
それは困る。
次の手は、市販の硬質フェルトシートを買ってきて入れてみること。
メのフォロワーさんに教えてもらったシートがamazonで売っていたのでポチー。
前回のテフロン切り抜きでコンパスカッターの必要性を感じたので、それも100均で買ってきた。

で、切り抜いてみると、外径は良かったんですが・・・
コンパスカッターが最低1mmからしか切れなかったオチで内径をくりぬくことが出来ず。
結局内径の穴はデザインナイフとハサミで整えることに。
このフェルトワッシャー自作は大正解でした。
初期の固着は解消され、作動は現代リールと全く遜色ないスムーズさ。
ドラグユニットの厚みが純正より若干薄くはなるので最大ドラグ力は落ちましたが、PE0.4号で戦う相手に必要十分ぐらいは確保。

(上から純正、テフロン、フェルト)
ちなみにこれにはきちんとドラググリスを使用。
城峰のユルネバをインストール。
これで何の憂いも無く実釣で使えるようになりました。

多少手の掛かるリールでしたが、まあ弄るのが好きでやってる面もありますし?
というわけで、マイコンという頼もしい相棒を手に入れた!
俺たちの戦いはこれからだ!
この記事へのコメント
リアドラグのワッシャーの順番がわからなくなって探し捲ってたどり着きました。助かりました(*^-゜)vThanks!
Posted by おっちょこちょい at 2024年10月16日 01:39
お役に立てたようで何よりです
Posted by MxTxN
at 2024年10月16日 23:50
