21カルディアFC LT1000Sを買って巻きノイズの調整をしてみた話

MxTxN

2024年09月27日 00:00

~これまでのあらすじ~

MxTxNには魚の釣り方がわからぬ。
けれどもリールの巻き心地に対しては、人一倍に敏感であった。


~これからのあらすじ~

21カルディアを買いました。
色々調整してみてそこそこいいリールに仕上がりました。



そう、21カルディア買ったんですけどね、このブログ記事書いたはいいものの写真撮ってねーわ、次バラした時撮るか・・・って下書きにしたまま、ついに1年ぐらいバラさなかったのでもういつ次のカルディアが出てもおかしくない時期になってしまいタイムリーさを逃したブログ記事になってしまいました。

そう、21カルディア買ったんですよ。
でもリールの巻き心地に人一倍敏感なので、ジャリジャリした感じが超気になったんですわ。
わかるかな、ダイワ機にこれ感じている人は多そうなんだけど。

低速でハンドルを回してみると妙に重たいのはマグシールド由来かなと思うのでそれはまあマグ抜きすればいいんですが、いったいどこが由来なのかわからぬ巻きのノイズ、特にジャリジャリした感じが気になって、こりゃ、う~ん・・・と。

このノイズは、21カルディアが発売された当時から釣具店の店頭展示品を回してみて感じていて、新品時からこれか・・・と正直なところ購買意欲があまり沸かない機種でした。

じゃなんで買ったのって話なんですがね、自分のエリア用リールの入れ替えで1000~2000番ノーマルギアが1台欲しくなり物色してたんですよ。
でもこれと言って予算と物欲のバランスが取れた機種が無く、次の型のヴァンフォードが出るまでリールが足りないまま我慢するか、なんか適当なリールを繋ぎで買うか、って所へ・・・
中古の21カルディアFC LT1000Sが安く手に入れられる状況が沸いてきたので・・・

よし、じゃあ敢えて21カルディアを買ってみて、あの巻きノイズがなんなのか確かめて、ノイズが消せるなら自分で調整してみよう、っていうめんどくさいオタクの気分になってしまい

my new gear...

しました。

早速届いたリールをチェック。
ジャリジャリしたノイズはやっぱりこの個体にもありました。

リールの巻きノイズの発生源ってのは、普通は主にギアとベアリングの2か所から。
他にも原因となる部分はあるけど、まあざっくりね。

このカルディアはギア由来と思われるゴリ感はほんの少し、巻き心地に人一倍敏感な俺で気にするかしないか程度の、かるーいギアノイズ。
分解してみると歯面に摩耗があるようには見受けられる。


じゃあベアリングがダメになってんのかな?とこの時は見当を付けたんですが・・・

ここでいきなり解決したトコを書いちゃいますが、今回は全く別角度のジャリ感の主原因に辿りつきました。

試しにね、別のリールのハンドルを付けてみたんですよ。
で、そっちのハンドルで巻くとジャリ感が7割減ぐらいで消える。
・・・は?

純正ハンドルを付けて回すとまたジャリジャリ。
えっ?全然ちゃうが・・・???

二つのハンドルの違いは、ノブ内にベアリングが入っているか、入っていないか。
カルディアのハンドルは、入っていない方。

で、試しにカルディアのハンドルノブの樹脂カラーをベアリングに置き換えてみると・・・
やっぱりノイズがなくなる!
え~~~~っ、あのジャリジャリの大部分、ハンドルノブの樹脂カラーから来とったんかい!

これにはびっくりしました。
たとえばですけど、昔の15ルビアスのハンドルも21カルディア同様にノーベアリングの樹脂カラーでした。
が、少なくとも15ルビアスには21カルディアに見られたようなノイズは全く出ていなかった。

その15ルビアスの樹脂カラーの部品コードは「110411」。
21カルディアの樹脂カラーの部品コードを調べると・・・これも「110411」
つまりね、これは同一のパーツなんです。
なのにこんなに差があるなんて・・・不思議・・・

ちなみにこのカルディアの前オーナーはカスタムハンドルを使用していたため、カルディア純正ハンドルはほぼ新品状態でした。

でまあ、この1件のみのお話で多くのデータから得られた結論じゃあない、根拠に乏しい推測ですが・・・

もしかして部品(樹脂カラー)の品質が落ちたか、ハンドルシャフトとカラー間の寸法がキツいか、シャフトの表面がザラついてる・・・?

樹脂カラーの品質か寸法が原因ならベアリングに交換すれば解決だし、シャフト表面が原因ならコンパウンドで磨けば解決するはず。

俺はてっきりボディ内部の問題だと思っていたし、実際ボディ内部由来のジャリジャリはまだ3割残ってるのでアレですが・・・
まあ、もう、なんかよくわからんが・・・
少なくとも自分のカルディアはハンドルノブに2BB追加することでジャリジャリノイズ減に成功しました。

同様にジャリ感が気になってる人はノブベアリング追加を試してみてくれ。
でも、やっぱ普通はこれボディ内部のどっかノイズだと思うんだよなぁ・・・

で、今度はボディの中身ということで手元のカルディアは早速バラされ・・・
バラ・・・

バラせねぇじゃん!

モノコック機種の分解には城峰釣具店の必殺仕事棒IIを使ってたんですが、なんと21カルディアの左側プレートには寸法が合わず。

ネットで瞬間接着剤のカバーを加工したら開けられる的なのを見たので試したんですが・・・


あまりにもプレートが固く締まっており瞬接のカバーはあえなく爆散しました。


というわけで、IOSのディスクレンチPROをポチって開けました。
IOSのでもちょっと寸法ギリギリ気味で、うまくハマってなかったり力加減ミスって滑ったら傷付くので注意が必要かなと思います。


で、手元のカルディアはようやくバラされ・・・


モノコックシリーズの内部のシンプルさには惚れ惚れしますね。
例えば、20ルビアスのリヤーキャップスクリューがオシュレートのガイドポストも兼ねる設計を見たときは、マジで感動しましたよ。
ダイワ、こういうトコほんと凄い。

で、ギアはピニオンに腐食って程でもないけどちょっと変色が。


中古品ということもあり、駆動部のベアリング5個は巻き心地に人一倍敏感な自分基準で全滅判定。
残ってた3割のジャリジャリはここかな。
全滅判定とはいえまだ使えるレベルで、ひとまずノイズはオイルである程度誤魔化すことが出来るので、洗浄してそのまんま使用。
各部洗浄し、パパッと組み上げました。

マグ抜きで単純に巻きが軽くなってるし、お高い値段のオイルのおかげでベアリングノイズは気にならない程度に消えたんですが、残るギアノイズが当初の状態より目立って出てきてしまってちょっと考えることに。

リールをあちこち傾けて巻いてみると、スプールを下にした姿勢でゴリ感が消えることに気付きました。
ということはローター=ピニオンが常に上に押された状態を作ればいいのです。
ピニオン下部にはウェーブワッシャーが入っているので若干ピニオンが上下に動くんですが、これを平シムに置き換えてクリアランスをキッチリ調整してみると・・・
ブルズアイ!ゴリ感ほとんど消滅!

今どきの多くのスピニングリールのピニオンギア下部にはウェーブワッシャーが採用されていますが・・・
そこがガタつきやノイズの一因になることもあるようで、ウェーブワッシャーをキャンセルして平シムで調整するチューンがある、というのはこういうことなんですね。
これは効果あるわ。

これにて、巻き重りも無くジャリ感も無い、21カルディアの真のクオリティが発揮される状態を作りだせました。
ちなみに後ほど(9か月後)、駆動系ベアリングの新品を手配して組み込んでみた所・・・
ほとんどリトリーブノイズの無いカルディアが爆誕しました。


中古品でここまでやれるなら、新品状態を調整したらかなりいい線いけるんでは・・・
さすがに上位の機種には逆立ちしても勝てませんが。
ローターナットBBの有無とローターの重量って壁があります。

21カルディア1000Sのローター重量は約38gあります。
上位の軽量機種はだいたい30g前後なので、3割増しの重さ。


軽量ローター機種の巻きの軽さは言わずもがななので、もしエアリティとかのローターがポン付けできるならあるいは・・・?
誰かやってみてくれ。

しっかし、ここまで化けてくれるなら・・・というか、もし吊るしでこのクオリティの巻きになるのなら、エリア用リールとして21カルディアは大いにアリと言えるリールだったんだなぁ、と。
しばらく使ってみて思ったけど、巻き感の良さと掛けた時の巻き上げパワーはいい線いってます。

でもまあ、最初の方にも書いたけどもう次のカルディアが出てもおかしくないので、今更感はある・・・


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