いまさらプロキャスターX103HL

MxTxN

2021年06月16日 04:00

バス・トラウトの釣りでは、割りとオールドタックル文化というものが根付いています。
リールで言えばアンバサダーやカーディナル、ミッチェルなどなど。
現代のリールとはまた一味違うデザイン、アトモスフィアが人を惹きつけるのでしょう。
あるいは当時の思い出も。

ところで、オールドタックルの「オールド」の定義とは?
およそ80年代以前のものはオールドと呼ばれているような気がするのですが・・・

思えば、インターネットを介してあれこれし始めたころ、00年代前半には既に80年代の釣り具をオールドと呼んでいたと思います。
時の開きは20年。
当時のオッサン共のオールド・グッド・デイズが80年代。

では。

2021年となった現在から20年前である2000年前後のものはオールドではないのか?
相対的にオールドと言っても良いのではないか?
というわけで、今オッサンになった俺が20年前に使っていた相対的オールドベイトリール、プロキャスターXの話です。



確か小学生か中学生の頃、新年のお年玉を握りしめ買いに行ったリールだったと思います。
世はバスブーム只中。
人気のルアーは手に入らず、プレミア販売がされていた時代。
メガバスルアーなんかは入手困難の筆頭で、若い人には信じられないと思いますがラッキークラフトですらプレミアが付いていました。
ですが、プロキャスターを購入した時に一緒にポップXを購入できました。

売ってないのでは?いったいどういうこと?
カラクリはこうです。
その店では、1万円以上の商品を買った客に「メガバスルアーの購入権利」を付けていたのでした。
プロキャスターは1万2000円ぐらいだったので、見事購入権利を入手。
ショーケースの中に並んでいたポップX(ルアー自体は定価売り)も買うことができたのでした。
そのポップXはいまだに持っています。

それは置いといて、プロキャスターX。
スペックはこんな感じ。

ギア比:6.3
ハンドル1回転の巻き上げ実測で62cm
最大ドラグ力3kg(結構弱い)
自重235g
ベアリング3/1
ラインキャパ12ポンド110mぐらい

マグフォースV
スピードシャフト
スーパーメタルフレーム
スプール重量実測19.6g

これに加え自分のは左ハンドルなので、当時ダイワが売りだしていたグリッピングレフトというモデルでした。
定価は16,000円。
グレードがひとつ上のプロキャスターZで定価21,000円。
XとZの違いはベアリングが1個増えるのとドラグのクリック音だけ。
XもZも基本的な作りは一緒なので、実質今のタトゥーラやSLXと同クラスと思ってもらえれば。
それを考えると、今のリールってスゲーですわ・・・

少年時代を共に過ごしたリールとして、さぞかし華やかな戦績があるのかと思いきや、全く活躍機会は無し。
釣りが好きだったといっても小~中学生が一人で遠出なんて親が許さず、バス釣りは親に連れて行ってもらって年10回ほどしか行っていなかったと思います。
中学2年ごろから地元でバスが溜まっている場所を発見してよく行くようになったのですが、スピニングタックルしか持っていきませんでした。

そして高校時代はDTMにハマり、釣りはほとんど行かず。
年10回も行かなかったはず。

ところが大学で釣りサークルに入って一転。
そのまま人生を狂わせてしまったのですが、まあそれはどうでもいいや。

で、大学に入ったころにはプロキャスターなんておもちゃみたいなリールは時代遅れで、スコーピオンやTD-Z、初代レボなど買って使っていたため、本当にプロキャスターに出番はありませんでした。
海釣りにも行き始めたころ、カワハギやアジなど船釣りのリールとしてちょっと使った程度。
その後は使うことなく、リールのライン巻き替えの時に一時的にラインを巻いたり、ラインをひっくり返すときに使ったり。
しかし海で使ったあとシャワー程度は掛けていましたが、まあこんな時代のリールなので当然塩害でやられゴリゴリに・・・

そのまま放置されていたのですが・・・
思うところありフルオーバーホールすることと相成りました。


まずはパパッと分解。
グリッピングレフトのデザイン上、ハンドル軸がリール後方にあるためレベルワインドのギアまで2個のギアを中継させています。


メインギアを外すとこんな感じ。
パーツ多いな!


重く頑丈なメタルフレーム。


3個のベアリングの位置は結構ユニークで、ピニオンの支持に2つとスプールシャフトに1つ。
普通なら、飛距離に関係するスプールシャフトに真っ先に2つを当てるべきところですが・・・?
ご覧の通りです。

ピニオンを2つのベアリングで支えるという構造は、今のシマノで言えばX-SHIP、ダイワで言えばハイパーダブルサポートとして売り出されているものですが・・・
こんな昔の下位機種で既にやっちゃってたんですよね。
なんでプロキャスターがこんなベアリング配置なのか謎ですけど。ホント。

ちなみに同世代の下位機種トライフォースZも同じ3ベアリングなんですが、ハンドル軸、スプール片側、ピニオンというこれまた謎配置。
限られたベアリングをどこに配置するのがいいのか探ってたんですかね?


日本製。


新しいグリスとオイルで組み上げ。
ベアリングは死んでゴリゴリだったけど、洗浄して回るようにしてからグリスインして誤魔化した。
ちなみに、もしいずれベアリングを交換しようと思った時のためにメモ。
サイドプレート側スプールカラー・ハンドル軸カラーもベアリングに変更可能。

ベアリングサイズ
830 3x8x4 スプール
1150 5x11x4 スプール
850ZZ 5x8x2.5 ピニオン
1280ZZ 8x12x3.5 ピニオン
950ZZ 5x9x3 ハンドル軸

で、組み上げたのがこの記事の最初の画像なわけですが・・・
何か違う?
うん、そうだね。
ハンドルがどうしても安っぽくて気になったので、余ってたパーツを組み合わせて80mmクランクハンドルを装着。

タトゥーラの純正ハンドルが余ってたんだけど、クランクハンドルのためスタードラグが干渉。
なので当たる部分を適当にヤスリで削って・・・


こう。


まあ・・・ちょっとカラーがマッチしてないけど・・・ええやろ。


ハンドルノブはベアリングの余りが無いためカラーを使ったけど、ここを4BB化することも可能。
なのでプロキャスターXは最大で9BBまで増設可能というわけです。
したところで・・・うーん、どうなんだろうね。


ちなみにハンドル軸が長すぎて袋ナットが使えず、こう止めるしかなかった。
ちょっと見栄え悪いけど・・・仕方ない。


リテーナーを止めるネジも長いのしか無くって、思いっきりハンドルを貫通。
ドラグには干渉してないし、まあええやろ・・・



まあでも、これでひとまず使える状態として完成。

PE4号巻いてナマズから投入かな・・・
思ったより使えるじゃんってんなら、新品のベアリングを入れてもいいかもね。


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